気泡除去装置の動作原理

1渦流(スワールフロー)の生成

  • 液体(気泡を含む)が周方向に設けられた入口ポートからテーパ管へ流入します。
  • この横方向からの注入により管内で強いサイクロン流が形成され、液体はテーパ管内壁に沿って螺旋状に加速します。

2中心軸上の圧力低下

  • 回転流の遠心力で液体は外壁側に押し出されるため、中心軸付近では静圧が大きく低下します(ベルヌーイ効果)。
  • この低圧領域は、テーパ管末端付近で最小となり、その後ストレート管に入ると粘性抵抗により渦が減速して圧力が緩やかに回復します。

3気泡の捕集と合体

  • 液中の微細気泡は密度が小さいため、低圧域へ引き寄せられて集まり、大きな気泡柱を形成します。
  • 粘度が低いほど渦強度が高く、中央への気泡集中が速く・多くなるため除去効率が向上します。

4気泡の排出(ベント)

  • テーパ管下流側に背圧を与えるか、または装置側面のベントポートのオン・オフ弁を操作して流れを一時的にせき止めると、中心に集まった気泡柱が押し出され、ベントラインから外部へ排気されます。

5結果としての効果

  • 渦流による連続的な気泡除去低減により、油圧・潤滑・食品プロセスなどの流体システムで起こるキャビテーション、体積弾性率変化、潤滑劣化、騒音・温度上昇といった問題を抑制できます。
  • 数値解析および高速可視化実験でも、テーパ管末端での気泡集中と除去効果が定量的に確認されています。
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